2017年3月31日金曜日

『闘うチベット文学 黒狐の谷』見本できました!

ツェラン・トンドゥプの邦訳小説集『闘うチベット文学 黒狐の谷』(勉誠出版)がようやく形になりました! 

タクブンジャの『ハバ犬を育てる話』(東京外国語大学出版会、2015年)を刊行してから、丸2年。チベット文学研究会の4名による翻訳書を再び世に出すことができました。

じゃじゃーん! 雌雄の野生ヤク(チベット語で「ドン」)の油絵が表紙を彩っています。タイトルは狐ですが、絵は野生ヤク。作品にたびたび顔を出すドンという名の登場人物と関係をもたせました。





表紙を雌にするか雄にするかで迷ったのですが、最終的には作家の鶴の一声(ぼく、こっちが好き)で雌に決まりました。願わくば、雌の子宮の中を泳ぎ回っている精子が読者の頭の中に飛び込んで新しい何かが生まれますように。

チベット語をどーんと使った装丁もインパクト大。草原を彷彿とさせる薄緑の帯と、蒼天の上に広がっていそうな群青色の地色のコントラストが気に入ってます。本屋さんで目立ちますように。いや、そもそも、本屋さんで並べていただけますように(強い願い)。

ツェラン・トンドゥプは漢語を通じてたくさんの海外文学に親しんできた人で、海外文学の技法を使って新しいチベット文学を生み出しています。その感じと、チベット文化の中で育った人が西洋絵画の技法でチベットを描くという装丁画がぴったり合ってます。

ツェラン・トンドゥプという奇しくも同名の絵師さんは、この春から全国ロードショーの映画『草原の河』のソンタルジャ監督のチームで美術を担当している人です。作家と極めて親しい間柄の監督に相談したところ、ご紹介いただいたというご縁です。

この絵は現在はイタリアの画廊にあるそうです。いつか実物を拝んでみたい!

ちなみに、作家のツェラン・トンドゥプ氏はソンタルジャ監督が脚本を書いた時にまず見せに行く人で、監督の作品にはいつも芸術顧問として氏の名前があります。

そんな関係でもあるので、今回、『草原の河』の公開と同じ4月に、『闘うチベット文学 黒狐の谷』が刊行されることがとてもうれしいです。

盟友二人にバンザイ!




『草原の河』の公開にあわせてチベットの普通の人びとの姿を知ることのできる映画上映が目白押しです。まずは東京外国語大学での4/15と4/22のTUFS Cinema チベット映画特集にぜひ! 大阪でも5/6〜12に第七藝術劇場にてチベット映画傑作選あります。

『黒狐の谷』のツノ書きに「闘う」とあるのは、この作家の姿勢によるところが大きいですが、チベットで創作活動を行って突出している人に共通した特徴として「静かに闘う」という姿勢があることも感じています。『フィールドプラス』掲載のインタビュー記事(「静かなる闘い 熱を帯びるチベットの映画制作の現場から」)もぜひお読みください。フリーでダウンロードできます。

そうそう、ペマ監督と比べるとツェラン・トンドゥプはもっともっとやんちゃです (笑) →『黒狐の谷』を読むと分かります! お楽しみに〜♪

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