2016年1月11日月曜日

シンポジウム「チベット文学と映画制作の現在」

1月最後の週末、チベットの著名な文学者として、小説家であるジャバ氏、ラシャムジャ氏、詩人・小説家・映画監督であるジャンブ氏(映画監督としてはドルジェ・ツェリン氏)をゲストに招き、シンポジウム「チベット文学と映画制作の現在」を実施します。土曜日は小説、日曜日は詩と映画について語らいます。日曜日はドルジェ・ツェリン氏による映画『冬虫夏草』の上映もあります。

一般向けのイベントですので、どうぞお気軽に、お誘い合わせのうえお越しください。

◎日時
 2016年1月30日 (土) 13:00-18:30 (12:30開場)
 2016年1月31日 (日) 13:00-17:00 (12:30開場)

◎場所
 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所3階 304号室
 交通案内:http://www.tufs.ac.jp/access/tama.html
  • 申し込み不要、参加無料です。
  • 使用言語はチベット語・日本語(日本語通訳つき)。
  • 映画『冬虫夏草』は英語字幕による上映です。
◎主催:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所「言語の動態と多様性プロジェクト」(LingDy2)   担当 星 (hoshi[at]aa.tufs.ac.jp)
 協力:チベット文学研究会

◎プログラム(暫定版)
1月30日(土)13:00-18:00 (12:45開場)
1 開会の辞 
2 海老原志穂(AA研)・大川謙作(日本大学)・星泉(AA研)・三浦順子(翻訳家)「翻訳者によるチベット現代文学作品案内」
3 ジャバ(中央民族大学)「チベットの現代文学の形成とその特徴について」、質疑応答
4 ラシャムジャ(中国チベット学研究センター)「チベット現代文学史と『雪を待つ』」、質疑応答
==朗読==
 ラシャムジャ『雪を待つ』より、ジャバ 「肉」より、星泉
5 パネルディスカッション(小野田俊蔵、山口守、大川謙作、三浦順子)
==サイン会==

1月31日(日)13:00-17:00 (12:45開場)
1 ドルジェ・ツェリン / ジャンブ(詩人・小説家・映画監督)「詩のチベット―時間旅行へようこそ」、質疑応答
==朗読==
 ジャンブ「ノルブ、いとしいものへ」他、梅野泉
2 ドルジェ・ツェリン監督ドキュメンタリー映画『冬虫夏草』上映、質疑応答
3 パネルディスカッション(岩尾一史、別所裕介、西田愛)
4 閉会の辞
==サイン会==

◎ゲスト・プロフィール

ジャバ   བཀྲ་བྷ།1960年、チベット・アムド地方チャプチャ(青海省海南チベット族自治州共和県)の牧畜民家庭に生まれる。北京の中央民族大学チベット学研究院副教授。専門はチベット文学。作家としても著名で、これまでに『麦』や『羅刹ユゴクと太陽の都ラサ』などの長編の他、多数の小説を発表している。チベットの現代文学に関する研究プロジェクトを精力的に進めており、自身の作品のみならず、作家タクブンジャやラシャムジャの長編の出版、その漢語訳の出版なども手がける。ちなみにタクブンジャとは高校の同級生であり、またラシャムジャの大学時代の担任教師である。北京在住。SERNYA vol. 2に短編小説「肉」が掲載されている。

チェナクツァン・ドルジェ・ツェリン  ལྕེ་ནག་ཚང་རྡོ་རྗེ་ཚེ་རིང་།   /  ジャンブ  ལྗང་བུ།
1963 年、チベット・アムド地方ソクゾン(青海省黄南チベット族自治州河南モンゴル族自治県)のモンゴル人牧畜民家庭に生まれる。ジャンブは詩人としてのペンネーム。チベット自由詩に最も影響を与えた詩人の一人である。1989年から2006年までラサの文芸誌『チベット文芸』の編集者として活躍した。自身で詩を書くだけでなく、チベット各地の詩人を集めた集会を主催した経験もある。映像作品も多く手掛ける。映画『ヒマラヤ王子』で脚本・助監督を担当した他、『在家行者』、『テルカ』、『ココノール』、『冬虫夏草』などのドキュメンタリー映画を自主制作している。2002年から6年間にわたり、フランス国立東洋言語文化研究所(INALCO)にてチベット語とチベット文学の講師を務めた。フランス在住。SERNYA vol. 2に詩「ぼくはあなたに」「ラサ」、vol. 3に「ノルブ、いとしいものへ」が掲載。

ラシャムジャ  ལྷ་བྱམས་རྒྱལ། 1977年、チベット・アムド地方ティカ(青海省海南チベット族自治州貴徳県)の半農半牧の村に生まれる。青海省司法警官学校を卒業した20歳の時に小説家デビュー。その後、中央民族大学に進学し、チベット語・チベット文学の研究の道に進む。在学中にも小説を書き続け、ダンチャル新人賞を受賞。中央民族大学で修士号を取得後、北京の中国チベット学研究センターの宗教研究所の研究員として採用され、チベット仏教の研究を進める。2014年には博士号取得(西南民族大学)。多数の論文を執筆する傍ら、小説を発表。これまでに3度のダンチャル文学賞を受賞するなど、作家としての評価は極めて高い。誰も読んだことのない新しいチベット語チベット文学を生み出すことにこだわり続ける作家である。北京在住。『チベット文学の新世代 雪を待つ』(勉誠出版) は処女長編の邦訳。

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